企業情報Company

環境行動指針Environment action guideline

私たちは、未来と環境を
常に考え、行動し続けます。

最近、「環境」が時事問題のキーワードとなっており、世界的に関心が高まっています。20世紀初頭、地球の人口は20億程度でしたが、現在は60億になろうとしています。増え続ける人間は、産業革命以後、地球の貯えてきたエネルギーや資源を貪り尽くし、地球を荒廃させています。森林は毎年日本の面積に匹敵するものが伐採され、生物種は毎年4万種以上消滅しています。砂漠化が急速に広がりつづけ、人類や生物の生存領域を狭めています。二酸化炭素の排出が地球温暖化をすすめ、増え続けるディーゼル自動車等により都市環境は悪化しつづけています。又大量のゴミ処理問題、産業活動によって排出される環境ホルモン等環境問題は、頻繁にマスコミに取り上げられています。

21世紀は環境の世紀といわれています。以前、企業内で環境について語るのは、タブーでしたが、最近は環境を避けて通ることは不可能となり、逆に環境対策を行うことにより、企業イメージを高めようとする傾向に有ります。環境行動はトレンディーとなっています。

企業の環境対策は、社長が先頭にたって行うトップダウン事業です。COP3の達成は会社の使命と考えています。廃棄物=ゴミではなく、廃棄物=資源という考え方「ゼロ・エミッション思想(循環型社会の創造)」を導入していく必要があります。

都市ガス事業者としての環境対策

都市ガス事業者は、顧客を含め、環境問題に対する周囲の期待が高いといわれています。都市ガス事業は、環境問題等の発生しない公益性の高い事業と一般的に認識されていますから、環境対策へのアクションとその透明性を明らかにする必要があります。唐津ガスは、事業を通して環境対策を進めるとともに、地域で行われる環境活動へも積極的に参加していかなければなりません。環境問題は、事業者とそこで働く個々人の自覚が必要です。環境マネジメントを推進するにあたり個々人の環境意識を高め、環境対策を成功させるよう努めていきます。

なぜ天然ガスなのか?(LNG)

天然ガス(LNG)は、燃焼時の環境負荷物質発生量が他の化石燃料に比べて低いこと、また、生産から輸送、消費までの温室効果ガス排出量が低いことから、天然ガスは環境に優しい燃料とされています。また、国策である脱石油の一番手として期待されています。

国の長期エネルギー見通し(2001年7月)では、天然ガスの供給安定性や環境性が評価され、天然ガス導入拡大が必要とされ、2010年における供給量はLNG換算で5748万トンとなっています。この結果、一次エネルギー供給量に占める天然ガスの比率は1990年度10.1%、1999年度12.7%から2010年度には13.2%に増加するとされています。

このような状況から、ガス業界では石油、石炭等を原料とする低カロリーガスから、天然ガス等を利用する高カロリーガスへの転換を推進しています。この結果2001年度ガス製造量の94%が高カロリーガスとなっています。

表1 燃焼時の環境負荷物質発生量比率

石炭 石油 天然ガス
窒素酸化物NOx 100 70 20〜40
硫黄酸化物SOx 100 70 0
炭酸ガスCO2 100 80 60

表2 化石エネルギー別温室効果ガス排出量(総発熱量ベース)

石油 LPG LNG 都市ガス
国内輸送前 83.6 120 76.4 110 69.8 100 - -
国内輸送後 83.9 119 76.9 109 - - 70.7 100

g-c/1000kcal 右はLNG、都市ガスを100とした場合

唐津ガスの環境に関する基本方針

1.環境基本理念

地域および地球規模での環境保全は、エネルギー事業者にとって極めて重要な使命である。唐津ガスは、クリーンエネルギー天然ガスの安定供給を図るとともにエネルギー効率の向上を図ることにより、地球に優しい環境の創造と自然豊かな郷土の保全に貢献する。

2.環境基本方針
  • 環境目的・目標を設定し、環境行動を継続的に実践し、環境マネジメントシステムの継続的改善を図るとともに、これらを自主的に見直します。
  • 事業活動に関連する法規則および当社が同意するその他の要求事項を遵守し汚染の予防に努めます。
  • クリーンエネルギーである天然ガスを安定して導入し、その普及拡大およびエネルギー利用効率の向上に努め、環境負荷の低減に貢献します。
  • 事業活動に使用するエネルギーの抑制を図り、また事業活動で発生する廃棄物の抑制と再資源化を推進し、地域と連動しながら快適な街づくりに貢献します。
  • 当社役員および社員に対し、環境マネジメント活動について教育・啓発することによって、その内容を周知します。

唐津ガスのこれまでの環境保全活動とこれからの活動

1.天然ガスの導入と普及拡大・エネルギーの利用効率の向上

天然ガス導入と普及拡大・エネルギー利用効率の向上

当社は平成11年4月から、西部ガス株式会社よりLNGの導入を開始し、4月から6月にかけて11,600戸の需要家の熱量変更作業を完了しました。この結果石油系原料を使用していた平成10年度に比べ11年度のCO2排出量は、10200トンとなり、削減量は1900トンで、9.2%の削減率となり、さらに平成2年(1990年)に比べ13.1%の減となっています。これはCOP3の目標である6%減を大幅にクリアしています。今後も地球温暖化の主な原因となる温室効果ガスCO2の削減に努力して参ります。

※CO2排出量中に電力分を含む

事業におけるエネルギーの使用削減

ガス1m3/N販売するのに排出するCO2の量

1998年度 1999年度 2000年度 2001年度 2002年度
CO2排出量 121.5 54.9 40.5 40.3 44.3

G-CO2/m3N 石油系原料を使用していた時に比べ、約1/3に減少しています。

事業におけるエネルギーの使用削減

省エネルギー対応の機器の販売促進や天然ガス自動車、コ・ジェネレーション等の普及促進を図り、石油系燃料から、天然ガスへの転換を進めて参ります。

2.企業活動における環境保全活動

工場における環境保全活動

唐津ガスでは、昭和58年現在地に移転以来、無公害工場を目指して稼動してまいりました。まず排水対策としてコンデンスオイルの吸着処理装置および簡易活性汚泥法による工場内で発生する排水の処理対策です。その結果処理後の排水は排出先の環境値をはるかに上回っています。また、排水量も循環使用することにより、旧工場の30分の1にまで減少させました。
大気汚染対策として、LPGを使用したため排ガスは、排出量、ばいじん、煤煙、NOx、SOx等基準値をはるかに下回っております。騒音対策も規制値以内になるよう対策を取ってまいりました。

表 前設備の工場廃水分析例

分析項目 規制値 分析値 計量方法
PH 5.8~8.6 6.8 JISK0102 12.1 ガラス電極法
BOD 160mg/l 1.1 JISK0102 21 , 32.3隔膜電極DO測定・希釈法
SS(浮遊物質量) 200mg/l 3.8 昭和46年環境庁告示第59号付表8 1μGFP法

今回製造設備は、LNGサテライト設備となったため、排水はゼロとなり、排ガスもほとんどありません。また、使用する機器も小型の循環ポンプやLPGポンプぐらいで従来の設備に比べ小型になり、騒音の発生もありません。構内で使用する排水はほとんど生活廃水ですが、市の下水道が普及するまで、従来どおり廃水処理設備を稼動してまいります。

ごみの分別回収、再生紙の利用

会社で発生するごみの分別を徹底するとともに、可能な限りリサイクルしていきます。また会社で使用する用紙等も事務の電子化をすすめて減少させ、また再生紙の利用率を増加させていきます。

掘削残土の減少

本、支管工事等の工法を研究し、掘削土量の削減を図るとともに、掘削土の再利用に努めます。また、浅層埋設を推進するため技術の開発、向上に努めてまいります。

新工法、新素材の採用と廃材料リサイクル

ガスの低圧導管の配管工事に使われているPE(ポリエチレン管)は腐食せず、地震や不等沈下に強く、軽量で施工効率がよい等の特徴があり、先年の阪神淡路大地震を教訓にして低圧のガス管のPE化が全国的に進められています。当社においてもPE管の普及拡大を図っており、新設低圧管については原則PE管を採用しています。
また、EFジョイント工法の他、バット融着法を採用し、端管を可能な限り利用することにより、廃材を極力減少させ、さらにリサイクルについても実施する予定です。

職場における省エネルギー

各職場毎に節電(昼休みやトイレ使用時以外の消灯やOA機器の節電など)、空調温度の見直し、節水等によってムダなエネルギーの削減を図るとともに電気、水道、ガスなどの使用量を定量的に把握し、いっそうの省エネルギーに努めてまいります。

3.環境関連技術の取組

コ・ジェネレーション技術の開発・研究

近年、燃料電池をはじめとするコ・ジェネレーションシステムの開発がすすみ、従来の大型のものから中小型のものの開発が進められてきています。とくに燐酸型燃料電池については50~200キロワットから、高分子型燃料電池では家庭用需要を見込んだ1~2キロワットの小型の物の開発が進んでおり、実用化の段階となっています。また、ガスエンジンを利用した1キロワットの家庭用コージェネレーションシステム(エコウィル)も開発され、導入に向けて対策を始めました。
当社は、平成14年11月、20kwガスエンジンコ・ジェネレーション発電機を工場内に設置し、工場内で使用する電力の35%を発電し、回収した温水をガス製造の熱源として利用しています。今後も省エネルギ効果の高いコ・ジェネレーションの普及促進を図るべく、研究、開発を続けていきます。

4.環境啓発活動の推進と地域環境保全活動への貢献

環境問題についての社内に対する広報、啓発活動

当社従業員および関連会社従業員が環境問題の重要性について認識を深めるよう、啓発活動を行っていきます。

地域との連携によるリサイクル運動への協力

地域で行われるリサイクル運動へ積極的に参加協力を行っていきます。「自分たちが環境に対し、他に出来る事がないか」を常に考え、長期にわたって実践が出来るような取組を行っていきます。

地域イベントへの参加による環境啓発活動

佐賀県や唐津市等の行う、環境イベントへ積極的に参加し、環境について地域の人と一緒に考えるとともに、当社の環境問題への対応について積極的な広報活動を行っていきます。